年金問題という言葉をニュースで耳にすると思います。
年金が破綻すると危惧されていますが具体的にどのようなことが起こるのでしょうか。
ニュースで年金問題を扱う場合対象は主に国民年金です。
自営業の方は国民年金に加入するのが通常ですが自営業の方に年金という制度は厳しめに設計されています。
その理由は
というもの。
年金に限らず、国が出す支援金にはこのような性格が見られます。
なるべく自分でなんとかしてほしいどうしてもダメな人には支援する。
こういうスタンスですので
「自分でなんとかできそうな人(と行政が判断した人)」には厳しいのです。
国民年金は保険料も支給額も低く設計され仮に40年間納付したとしても支給額は月6万5千円にしかなりません。
夫婦二人で13万円です。
自分が70歳、80歳になった時に夫婦二人で月13万円で生活しなければなりません。
そう考えるととても不安で恐ろしく感じます。
こういった下流老人は現に多く日本全体で600万人以上と言われています。
ちなみに総務省統計局によると65歳以上の人口は3300万人。
約5人に1人が下流老人であり、病気・怪我・事故などのリスクを考慮すると9割以上の老人が下流老人となる潜在的なリスクを抱えているといいます。
少子高齢化で老人の数が増え続ける昨今、将来的には下流老人割合は5人に1人どころではないですし、リスクを考慮すれば極一部の資産家を除いたほぼ全ての国民が下流老人化するリスクがあるといってよいでしょう。
蓄えを築いて少しずつ削りながら暮らすかあるいは何かしらの仕事を見つけて一生働き続けるか。何れにしても老後は決して楽なものではないかもしれません。
一方でこんなデータもあります。生活保護を受給している世帯の平均受給額は19万円。
国民年金受給者の世帯収入を夫婦二人で13万円と考えるとあまりの優遇ぶりに言葉を失ってしまいます。
医療費ゼロ、保険料ゼロのケースもあります。9割以上の老人が下流老人になるリスクが発生する理由は高齢化に伴う病気や怪我です。
病気や怪我をしてしまえば生活費として蓄えていた貯金から医療費を払わなければなりません。
貯蓄があっても決して安心はできないのです。
それに比べて生活保護受給者の安定は約束されたものと表現してよいでしょう。
働いて、働いて年金を納め続けても老後を安心して迎えることは難しい昨今です。
一生何らかの形で働き続けないといけない老人も既に少なくありません。
働くことを美徳としてきた日本人は生涯働く事をこれからも国民に課し続けるかもしれません。
その一方で生活保護受給者が働く人以上の厚遇を受けている。これに疑問を感じない人はいないでしょう。
日本という国全体が働く事を美徳とし、キレイゴトを並べて働く人に厳しく接してきたツケを払う時期がいよいよきていると感じざるを得ません。
国全体のブラック企業化を認め舵を取り直す時期を迎えているのではないでしょうか。
とても納得できるような状況ではないですね。