【涙腺崩壊】旦那「動物を飼って、愛情とはどういうものかを学ぶのがいいと思う」私(なにを言ってるんだコイツは)→ そして息子と娘が産まれ
2021/09/30

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先日旅立った猫の話

息子が産まれる1年前から飼い始めたので、息子のことを本当に弟のように見守ってくれた

息子が赤ちゃんの頃、夫婦で息子にかかりきりだったときに、夜中に突然ベッドの上に乗ってきて粗相をしたことがある今まで一度もトイレミスしたことないのに!と私は怒鳴ってしまったが、何故か猫は逃げなかった

夫が先に察して、「最近息子ばっかりでお前に構ってやれてなかったからな」と言って猫を撫でた私も反省して、一緒に撫でくりまわした

そういえば…夜中に猫が布団に入ろうと私たちを起こすとき、決まってすぐ息子が夜泣きを始めてたのに気づいたなんか色んなことが全部繋がった気がして感動した

猫が事前に起こしてくれるから、自然と眠りが浅い状態で夜泣きにもすぐ気付けたし、泣き声にイライラすることも少なかった

起こすのは見守るの交代してって合図だったのか猫も一緒に子育てしてくれてたんだ

猫も寂しくて、粗相することで私たちに構って欲しかったのかな?なんて思った夫はきっとそうだよと同意してくれたこの経験は娘が産まれたときに大いに活かせた

息子にも猫にもどこか一方に寄らないよう愛情注げたように思う息子が赤ちゃん返りすることも、猫がまた粗相することもなかった

猫は息子の目の前で尻尾をゆらつかせてあやしてもくれた娘の時も同じようにあやしてたその尻尾を不意に息子に掴まれ、猫の目がカッと開いて全身の毛がブワッて膨らんだ瞬間は今でも鮮明に思い出して笑ってしまう

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息子にも娘にも、あなたたちは猫に子育てされたんだよって教えてある幼児期の満面の笑みで猫を抱きしめてる写真や、赤ちゃんの頃尻尾であやされてる動画を見せたらびっくりしてた

娘が早めの反抗期に入ったとき娘がイライラして私に八つ当たりすると猫が撫でさせてくれないし、呼んでも返事してくれないから仲直りしたいと言ってきた

お陰で娘の反抗期はあっという間に終わった娘と二人で猫に、もう喧嘩しないから大丈夫だよと謝って、二人で撫でた

夫は仕事の時間が不規則なので、夜中に一人でご飯を食べながらよく猫に家族や仕事の悩みや愚痴を聞いてもらっていたそうだ夫だけじゃなく、息子も娘も悩み相談は真っ先に猫に話していたらしい私もそうだ本当に言葉の意味がわかってるのか、絶妙なタイミングで相槌を打ってくれるんだ

猫が息を引き取ったのは深夜夜勤中だった夫はすぐに帰ってきて、数日仕事を休むと言っていた高校生になって家族の誰よりも大きな体になった息子は泣き過ぎて熱を出して寝込んだ娘は私と一緒に最期を看取ってくれた

高校の合格発表の喜びを家族の誰よりも先に猫に報告して、これでなんの気兼ねもなくずっと一緒にいられると言って、その言葉の通りに最期の最期まで率先してお世話をしてくれた

私自身の両親が毒親過ぎて、着の身着のまま夫の部屋に転がり込んだとき夫が「貴女は動物を飼って愛情とはどういうものかを学ぶのが良いと思う」と言って、死にかけの子猫を拾ってきた

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目も開いてない子猫を拾って来て何を言ってるんだこいつは?と思ったものの、ネットで調べたり当時の2ちゃんで聞いたりして、注射器でミルクをあげたり、濡れたティッシュでお尻を拭いて排泄させたりと、必死に育てた絶対に死なせるもんかという決意がそのときの私にはあった

子猫はみるみるうちに大きくなって、本当は犬なのかも?と思うくらい懐いてくれた家中どこに行くにも私の後を追い掛けてきた名前を呼ぶと返事をしてくれた

もう居ないとわかってるのに、ふとした時に家のあちこちで猫の姿を探してしまう寂しいなぁ

それから1か月後…

今年から高校生の娘が入学早々、子猫を貰って帰ってきた

子猫かわいい~でもうちじゃ飼えないの子猫かわいそ~かわいそ~と動画を見せながらぶりっ子している同級生に腹を立てた結果らしい

放課後、数人の同級生と共にその子の家に行ったが、母猫の姿は既に無く、もう動かなくなった子猫が2匹と、呼吸はしているが鳴き声もあげない子猫そして、かろうじて掠れた鳴き声をあげている子猫が残っていた

元々野良猫に同級生がこっそりエサをあげていたら居付かれ、いつの間にか出産していたそうだ

子猫可愛さに家族で構いに行き、人慣れしていない母猫は育児拒否して失踪、その後は家族間で押し付け合いになり、里親を探しつつ同級生が○ゅ~るをあげて様子を見ていた

「朝はまだ生きてた!まだ生きてた!」と泣き出す同級生をよそに、弱った子猫に向かって娘が「生きたければ鳴きなさい。

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まだ生きたいのなら私が連れて帰る」と宣言。覇王か何かか?

娘の声に反応したのか、掠れ声の子猫が振り絞るように一際大きく鳴いた息をしているだけの子猫はやはり鳴くこともないままゆっくり呼吸をするだけ

「この猫は私が飼う。今すぐに連れて帰るから、亡くなった2匹は貴方が責任を持って弔いなさい。最後の子は助けるのも看取るのも貴方が最後まで面倒を見ろ」「私は私の手で助ける命と助けない命を選んだんだ。命の選択を他人に委ねるなら、最後にそれくらいの責任、取れ」

説教されて泣き続ける同級生と、色んな状況にドン引きしていた子猫を見に来ただけの野次馬同級生達を置いて、娘は立ち漕ぎで帰って来た

玄関から私を呼び、息を切らせたまま「ごめんなさい…実は…」と、リュックから子猫を摘み出した(そのまま入ってた)意外に大きいな。タワシだな…というのが私の第一印象

上記のことを話しながらもテキパキとウェッティッシュで子猫を拭きあげ、注射器を使って私が用意した、猫用ミルクで緩くした○ゅ~るを流し込む娘が頼もしい

娘は他にも同級生に色々言ったみたいだが、怒りながらもポロポロと涙を流していたので、この日はあまり詳しくは聞かなかったけど、娘はしっかり傷ついていた

とりあえず夫に子猫が来たことを報告

夫私夫<わかた。すぐかえる

本当にすぐに帰ってきた夫は、仕事着のまま娘とお腹をまん丸にした子猫を車に乗せて動物病院に向かった

息子は娘から子猫の写真が送られて発狂していたそして、その興奮のままであい系ナンパ野郎の如く大量のメッセージを送って無視されていた

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息子がウキウキのハイテンションで帰ってきたときはもう子猫は動物病院に行ったあと人がショックの余り膝から崩れ落ちる姿を初めて見たよ

タワシは軽度の栄養失調とネコ風邪と診断され、目と耳に薬を入れられて、飲み薬と目薬を処方された

娘が無理矢理に食べさせたからか、食欲もあることが確認できたので、このまま食事と排泄が出来るようなら心配はいらないと言われたタワシには既に乳歯も生えていたので、子猫用のカリカリと子猫用○ゅ〜るを買って夫娘帰宅

1ヶ月前、産まれたときから一緒だった先代猫の最期を看取ってくれた娘に、命の大切さとか、動物を飼う責任なんて、いまさら私から言う必要も無い娘が助けたいと決めたなら私はそれを受け入れるだけ娘にはそう伝えてあった

夫と娘は動物病院の行き帰りの間に改めて話をしてきたらしい夫も私とほとんど同じような言葉を娘に伝えたそうだ夫が私と同じ考えだったことがなんだかとても嬉しかった

「そのうち結婚相手もこんな感じで連れてきそうだ…『この人と結婚するから』って。きっと決定事項として紹介されるんだ…」と、夫が複雑な顔をしていたので、笑った

息子は専属カメラマン兼猫じゃらしトレーナーとして活躍している「そんなんじゃ立派なアスリートになれないぞ!」と言いながら猫が腹で息をするくらいまで遊び倒してくれる

娘は猫の病院代、ワクチン代、この先の去勢のお金や、これから10年間で掛かるエサ代トイレ代の試算を出してきて、「私が働くようになるまで猫のお金を出して下さい、お願いします」

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と頭を下げてきた

一人暮らしが出来るようになったら猫も一緒に引き取るつもりだ、とも私の娘のはずなんだけど、いつの間にこんなしっかりした子に育っていたのか…

夫からは「いや、母娘でそっくりだから…」と呆れた様子で言われた褒められてない雰囲気だけは何となく察し、あとで問い詰めようと思って忘れていたことを思い出した

そんな妙にしっかりした娘なのだが、私が買い物から帰ってきたとき、玄関前にて制服からジャージに着替えている現場を目撃

しまった!という娘の表情と、「制服だと猫の毛が制服に着いちゃうから…」「家に入ったらすぐ撫でたいし…」「だから着替えてた…」という言い訳を聞いて良いこと思い付いた!→なんかどこか抜けているやっぱり私の娘だと安心した

とりあえず玄関前で着替えていると外から丸見えだから、物陰で着替えるように言っておいた

残された子猫の方は、やっぱり助からなかったタワシを貰ってきた次の日、残された子猫の最後を同級生から聞いた娘は、一緒に同級生宅の庭に埋めてあげたと言っていた

そして、タワシがうちに来て一週間が過ぎた頃、娘がその同級生を連れて帰って来た

小さな段ボールの中で、食べ残しやおしっこに塗れていた小汚いタワシは、悲鳴をあげながら娘に洗われ、フワフワの子猫毛も綺麗なトラ猫に生まれ変わった

そんなフワフワが、不器用に歩いてジャンプして一生懸命猫じゃらしで遊ぶ姿を見せながら「貴方が私に繋いだ命だよ」と言ったら泣き出してしまったそうだそして、娘もあのときは少し言い過ぎたと謝ったという

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帰り際、泣いた目を隠さず私に対してもしっかりと頭を下げ「子猫を助けてくれてありがとうございました」とお礼を言って帰って行った

現在のタワシは食欲魔神の人間大好きっ子に育っている人によじ登り、頭突きしては全身を擦り付け、離れていても名前を呼ばれただけで喉を鳴らしながら近づいてくる

先代猫は泰然としていて、家族を見守るような立ち振る舞いだったのに対して、お兄ちゃん!お姉ちゃん!遊んでー!撫でてー!と全身全霊で甘えてくる子猫に最初は驚いたうちにきた初日は猫用キャリーケースの中で震えて唸り、2日目にケースから出せば、部屋の隅っこを目指してヨタヨタと逃げてゴミ箱の裏で鳴いていたのに…

2日目の夜、無理矢理娘に洗われ、膝の上で乾くまで撫でられたあとから、180°変わって人間大好きになってしまったその時に初めて喉を鳴らし「振動が凄い」と娘が笑っていた

結局何一つ処分出来ないまま仕舞ってあった先代の猫グッズは、無事にタワシへと受け継がれたトイレも教えてすぐ覚えてくれたし、エサ入れも水飲みも先代からのお下がりだ勢いよく登ったキャットタワーから、恐る恐るゆっくりと降りる姿は子猫らしくてとても可愛いと思う

しかし、先代は音もなく上品に登り降りしていたのに、この子は子猫なのに足音でかいな動きが雑で大雑把過ぎる

歳を取って食欲が無くなった先代の為に集めた高級猫缶たちも、好き嫌いなく毎日モリモリ食べているオヤツとご飯が仕舞われた引き出しを開けるだけで半狂乱のお祭り騒ぎだ喜び過ぎて暴れてエサ入れをひっくり返したのも一度や二度じゃない

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私の中の猫の常識が次々と崩れていく……

あとは、家族会議で娘がした命の選別について話し合ったよ医療、災害現場のトリアージについても話したりした

夫「答えの出せない問題はあるし、選べない選択もある。でも、沈黙が最善の答えなんてことだけは有り得ない。選んで行動しなきゃならない瞬間はどうしてもある」

夫「この子の食欲を見れば、どうしてこの子だけが生き残ったのかわかる。少しでも多く食べて声が枯れても鳴き続けて、子猫が出来る生きる為の最善を尽くした。最後の最後に娘にその声が届いたんだよ」

夫「見方を変えれば、この子は兄弟を殺して自分だけが生き残ったことになる。でも、この子に対して卑怯だとか、ずるいとか思う?」

首を振る娘

娘「見た瞬間にこの子しか助からない、助けられないと思った」娘「でも、あのとき2匹とも連れ帰ってたらもう1匹も助けられたかもしれない」

息子「なんで全部の責任が娘が持ってるみたいになってるの?そうなるまで気付けなかった同級生もいたし、一緒に子猫見に行った奴らも誰も連れ帰らなかったんだろ?娘はこいつを助けることを選んで、他の奴らは誰も助けることを選択しなかっただけだ」

夫「後悔するなとも、もう1匹のことを忘れろなんてことも言わない。でも、この子には死んだ兄弟の分も長生きしてもらおう。幸せに生きてもらおう」

真剣に話し合ってる間中、パンパンにしたお腹を晒しては夫に私に娘に甘えて行ったり来たりしてるタワシそして、話が途切れると聞こえてくるタワシが喉を鳴らす音ほんとに誰かがそばにいるだけで嬉しいんだな、この子は…

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私からは、子供たちの出産時に、もしもの場合は母体と子供どちらを優先しますか?と聞かれた話をした子供優先と言った私と母体優先と言った夫で喧嘩した話もした命のもしの話が身近にあったことに驚いたのか、子供たちが凄く静かになったな

「息子も娘も無事に産まれたし私も生きている。この子も生きている。いま生きてて笑顔で幸せなのが1番強い。どんな生まれでも育ちでも、いま幸せだと思えるのが1番幸せだ」毒親産の私の持論で締めた

甘えて撫でてもらって遊んでもらってお腹いっぱい食べて寝て生き延びたタワシは全力で幸せそうに生きてる

これをまとめてる今も、すぐ近くで油断しきって舌先をしまい忘れて寝てるその姿を見ると、つい頬が緩んでしまう写真撮ろうとして動いたらバレて起きちゃった

最後に、タワシの名前は娘が考えた食べ物系の名前になったタワシは酷いと夫からも息子からも娘からも責められた

先代猫が旅立って、心にぽっかり空いてしまった猫のカタチの穴毎日全力で生きて元気いっぱいにその穴を埋めてくれているこの子とも、いつか必ず離れる時がくる

そのときはきっと、今とは違う猫のカタチの穴が空くことになるのだろう

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