1週間で何を食べているか見せる10人の子供たち。5人目と6人目の比較にはびっくりする。。。
2021/10/05

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「食は人を表す」どんなところに住んで、どんな物を食べているかはその人の外見に現れると言いますが、果たして本当でしょうか。 逆にその人を見ればどんな食生活を送っているかわかるものでしょうか?この問いに答えるべく、アメリカ人写真家のグレッグ・セガールは、世界中の子供たちと子供たちが1週間で食べた物の写真を撮影してきました。

世界の子供たちが毎日どんな物を食べているのか撮影するというこのプロジェクトは、2016年に開始。これまで3年間にわたって、グレッグは9ヶ国52人の子供たちと食べ物を撮影、今年一冊のとして出版されました。アメリカ、インド、マレーシア、ドイツ、フランス、イタリア、ブラジル、セネガル、アラブ首長国連邦などを実際にグレッグが訪れ、現地の家族の協力を得て撮影されています。

言語の壁や文化の違いを乗り越えての撮影でしたが、一番大変だったのは、子どもたちに7日間何を食べたか漏れなく記録してもらうことだったそう。さらに撮影当日は、子どもたちの記録を元に料理人が食べたものを再現しました。優秀な現地スタッフのおかげで、うまくいったプロジェクトでしたが、費用はすべてグレッグの持ち出し。

でも今こうして発表されたグレッグの写真は、ただ美しいだけでなく、国や文化によってどれほど食べるものが違うのかを見せてくれ、そして食は人を表すのかどうか、考えさせてくれる非常に価値あるプロジェクトとなったことは間違いありません。

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1. グレタ(7歳・ドイツ)

グレタは母親と妹と3人暮らし。祖父母のところで暮らしていた頃、木の実を取ろうとして木から落っこちてしまった経験があるそう。白味魚のフライとマッシュドポテトが大好物。

パンと加工食品が大半を占め、フルーツと野菜はほんの一握りしか食べていません。

2. ロザリー(フランス・ニース)

グレッグが出会った地中海沿岸地域に暮らす子どもたちの多くは、魚、特にニシンをたくさん食べて育っていたそうです。父親がレストランの経営者ということもあり、ロザリーはすでにレンズ豆とソーセージのシチューなど簡単な料理なら自分でるくることができるそう。でもロザリーが夢中なのはキックボクシングです。

3. カワカニー(9歳・ブラジル)

アマゾンの国立公園内に暮らす先住民族の一因のカワカニーの食生活は、古来からほとんど変わらない伝統的なもの。魚、果物、木の実、そしてわずかに栽培するキャッサバです。

カワカニーは、この世界でわずか7人しか話すことのできない絶滅寸前の言語が母語で、父方の民族の言葉と、公用語のポルトガル語を話します。

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カワカニーの村には電気も水道もないですが、数ヶ月に一度、近くの町にコンピュータのクラスを受講に行っています。片道31時間の道のりだそう。カワカニーの手にかかれば、5分で魚を仕留めることができるそうです。

4. エンリコ(10歳・ブラジル)

同じブラジルでも、ジャングルと都市部ではまったく生活は異なります。エンリコが暮らすのはブラジルの首都、ブラジリアの郊外。映画プロデューサーの母親、祖母、2人の妹と一緒に暮らしていて、メイドがエンリコと妹たちの世話をしてくれます。

エンリコはとにかく甘いものが大好き!でも一番好きなのは、ブラジルの伝統的な豆と豚肉の煮込み料理フェジョアーダだそうです。

5. メイッサ(11歳・セネガル)

草木がほとんど生えないダカールの郊外に両親と弟と暮らすメイッサ。1970年代に国によって建設された、低所得者用の公営住宅に暮らしています。

メイッサは、パスタや豆、フライドポテトもなんでもバゲットに挟んで食べています。

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お米や豆と肉や干し魚のシチューがご馳走です。大きな市場では新鮮な野菜も手に入りますが、メリッサの家庭では手に入れる余裕がありません。

6. シラ(セネガル)

2015年にケンブリッジ大学が実施した調査によると、世界で最も健康的な食生活を営んでいるトップ10のうち9ヶ国がアフリカの国々だったそうです。魚、野菜、果物や木の実、豆や穀物を中心とした煮込み料理を主に食べていて、加工食品が少ない点が評価されています。シラの1週間の食事からも、健康的な食生活が見て取れますね。

7. シティ(9歳・マレーシア)

シティは、両親と4人のきょうだいとマレーシアの首都クアラルンプールの郊外に住んでいます。シティの父親はセールスマンで、母親は専業主婦、食事中は一切私語は禁止という厳しいルールがあるそうです。

シティの好物はスパゲティカルボナーラ。足元に転がっているのは水の容器で、ペットボトルの代わりにこうした容器で販売しています。

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8. アンチャル(10歳・インド)

ムンバイの郊外の建設現場内にあるアルミニウム精錬所一角の2.4m×2.4mの一部屋に家族5人で暮らすアンチャル。現在の場所に引っ越すまでは、緑に囲まれた農村で暮らしていたアンチャル。当時は学校にも通っていましたが、今は弟たちの世話に忙しく学校に行く暇はないそうです。

アンチャルの父親の収入は1日500円ほどですが、カリフラワーカレー、レンズ豆のカレーなど手製のカレーを家族分作るのには十分。スナック菓子や加工食品など買う余裕はないので、裕福な家庭の子供よりも健康的な食生活を手に入れています。

9. イサイア(16歳・アメリカ)

アメリカの西海岸、ロングビーチに母親と2人暮らしのイサイアの夢は音楽家になること。

鶏肉のオレンジ煮込みとチャーハンの組み合わせが一番好きというイサイア。これまでも母親から炭酸飲料を禁止されていましたが、写真撮影の日以降は本気で炭酸飲料とスナック類を食べるのをやめにしたそうです。

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10. ジーザス(アメリカ) 

10代でメキシコからロサンジェルスに母親と2人の姉と移住してきたジーザスは、ゴキブリとネズミの出るアパートで5人で暮らしています。蒸発した父親は、どこかで家族を持っているということを風の噂に知っている程度だと言います。

学校まで1時間かけて通うジーザスは、朝ごはんを食べません。学校のお昼ご飯は食べる気がしないので、1日中果物を食べている日もあります。母親が作る夕食が1日で唯一の温かいご飯です。

「私が子どもに焦点を当てた理由は、人の食習慣は子どもの頃に構築されるものだからです。9歳か10歳で加工食品中心の食事を摂っていたら、歳を取ってからヘルシーな食生活にしようと思ってもできないでしょう」グレッグは言います。

グレッグが今回のプロジェクトから学んだことは2つあるそうです。協力してくれた子供達52人の多くが、野菜をほとんど食べていなかったこと。そして世界のどこに行っても、裕福な家庭の子供は似たような加工品を食べていることでした。みなさんの食事もこうしてまとめて見てみると、気づかなかった食生活のくせなど新たな発見があるかもしれませんね!

グレッグは、「1週間分のゴミ」とそのゴミを出した人を一緒に撮影するという面白いプロジェクトも実施しています。こちらのもご覧ください!

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